「日本の近代文学を築いた文豪」と「国家を支えた陸軍軍医」。森鷗外は、この二つの顔を持つ稀代の才人です。小説家、詩人、翻訳家として文学の道を究める傍ら、言語学者、医師、軍人としても多大な功績を残しました。知性と感性が交錯するその作品群は、明治という激動の時代を生き抜いた彼の深い洞察と人間性を映し出します。文学と科学、東洋と西洋の狭間で紡がれた言葉の数々。その奥深さに、あなたも触れてみませんか?
己の感情は己の感情である。己の思想も己の思想である。<br> 天下に一人もそれを理解してくれる人がなくたって、 己はそれに安んじなければならない。<br> それに安じて恬然としていなくてはならない。