ミハイル・アルツィバーシェフ:どんな男でも、ある女性を自分のものにしようとするときは、 その人が自分の愛に最もふさわしい女性であり、 自分がこんなに夢中になるのももっともなことだと思いこんでいるのである。 そして、それが迷いであったと気づくのは、 あとになって別の女を愛するようになったときである。

恋に肩をたたかれた時には、 常日頃は詩的な調べに耳をかさないような男でさえ詩人になるのだ。

女が男の友達になる順序は決まっている。 まずはじめが親友、それから恋人、そして最後にやっとただの友だちになる。

恋が強烈でないのは恋の自然に反しており、 恋が変わりなく続くのは、強烈であるべき恋の自然に反している。

結婚は雪景色のようなものである。 はじめはきれいだが、やがて雪解けしてぬかるみができる。

友情が恋愛になるときには、二つの川のように混ざりあり、 有名なほうが他方の名を吸収する。

恋愛はポタージュのようなものだ。 初めの数口は熱すぎ、最後の数口は冷めすぎている。

恋は、それが秘密でなくなるとともに、楽しみでなくなってしまう。

恋にとどめを刺すあらゆる手段の中で、 最も確かなのはその恋を満足させることである。

甘い恋よ！ああ、お前が翼を持っていなければいいんだが……。

恋は結婚より楽しい。 それは小説が歴史より面白いのと同様である。