迷う、ということは、一種の欲望からきているように思う。 ああもなりたい、こうもなりたい、こういうふうに出世したい、という欲望から迷いがでてくる。 それを捨て去れば問題はなくなる。

迷いの正体は欲望であり、手放すことで道が開けるという示唆。

私たちは誰もが、「こうなりたい」「もっと良くなりたい」という願いや目標を持っています。それが、この言葉でいう「欲望」です。 しかし、その欲望が多すぎたり、複雑に絡み合ったりすると、「どうすればいいんだろう」「どちらを選べばいいのか」と、私たちは深く迷い込んでしまうことがあります。 松下幸之助のこの言葉は、そんな迷いの根源が、実は自分の中にある「あれもこれも」という欲求にあると教えてくれます。迷いを解消するには、外側の状況を変えることよりも、まず自分の心の中にある欲望を整理し、本当に大切なものを見極めることが必要だと語りかけているのです。 時には、何かを手放す勇気が、新たな道を開く鍵になるという、深い洞察が込められています。

仕事で新しいプロジェクトを任された時、プライベートで大きな決断を迫られた時など、「もっと良い方法があるはず」「もっと完璧にしたい」と、あれこれ考えすぎて身動きが取れなくなることはありませんか？ そんな時、この言葉を思い出してみてください。もしかしたら、その迷いは「もっと良くしたい」「失敗したくない」という、あなたの強い欲望から来ているのかもしれません。 一度立ち止まって、「本当に今、必要なことは何か」「手放してもいい執着はないか」と自問自答してみる。そうすることで、心が軽くなり、本当に進むべき道がクリアに見えてくるはずです。完璧でなくても、まずは一歩踏み出す勇気をくれる、そんな温かいヒントになるでしょう。