19世紀末フランスに生きたジュール・ルナールは、小説、詩、戯曲と多岐にわたる才能を発揮した言葉の魔術師です。しかし、彼の真骨頂は、日々の観察から紡ぎ出される格言や日記にこそありました。人生の機微を捉えた鋭い洞察と、時にユーモラスな筆致は、読む者の心に深く響き、忘れかけていた感情を呼び覚まします。彼の残した珠玉の言葉の数々は、時代を超えて私たちに語りかけます。その名言の奥深さに、あなたも触れてみませんか?
金を持たずに済ますことにも、金を儲けるのと同じくらいの苦労と価値がある。
我々は翼が欲しいという欲望を持っている。 にもかかわらず結局は空を飛ぶことはできない。 要するに、我々は幸せなのだ。 さもなければ、空気はやがて吸うに堪えなくなるに違いない。
幸福とは幸福を探すことである。
友人は服のようなものだ。 すり切れないうちに捨てねばならぬ。 さもないと、向こうがこちらを捨てる。
人は自分が幸福であるだけでは満足しない。 他人が不幸でなければ気がすまないのだ。
幸福であるだけでは十分ではない。 他人が不幸でなければならない。