渋柿は渋柿として使え。 継木をして甘くすることなど小細工である。
我、人を使うにあらず。 その業を使うにあり。
大将たる者は、家臣に慈悲の心をもって接することが、最も重要である。
得意絶頂のときこそ隙ができることを知れ。
今後は、一人働きは無用である。 足軽を預かっていながら独りよがりの行動をとれば、組の者は組頭をなくし、味方の勝利を失うことになるからだ。
一国を治めるものは、まず手近く自身からしなければならない。 親子兄弟一族の治めがついて、さしつかえがないというに至ったならば、この秘法はたちまちに万機に応じることができる。
晴信(信玄)が定めや法度以下において、違反しているようなことがあったなれば、身分の高い低いを問わず、目安(投書)をもって申すべし。 時と場合によって自らその覚悟をする。
組織に貢献してくれるのは優秀な者よりも能力は並の上だが、忠実な者の方だ。
人を用ふるの者は、能否を択ぶべし、何ぞ新故を論ぜん。
器用というのは他人の思惑の逆をする者だ。
およそ勝負は時の運によるもので、計画して勝てるものではない。 功名は武士の本意とはいっても、そのあり方によるものだ。 いまその方の功名は軽率な動きである。 一方の大将となろうとする者は、そのような功名を願ってはならぬ。 身の危ういのをかえりみないのは、それほど手柄と言うことはできない。 今後はこの心を忘れるな。
私の言うことが間違っていたら、それは間違いだと徹底的に追及せよ。 君らの言うことがわからなければ、私も君らを徹底的に攻撃する。 互いに攻撃し議論するのは、憲法を完全なものにするためである。 くり返すが、長官だの秘書官だのという意識は一切かなぐり捨てて、討論・議論を究めて完全なる憲法をつくろうではないか。
西郷一人は、薩国貴重の大宝なり。 しかしながら彼は独立の気性あるが故に、彼を使う者は私以外にあるまじく、その外に使う者はあるまじ。
誰が撃ったのか。 森(秘書官)も撃たれたのか。
決心した。 内政は横暴に流れながら、諸外国に対しては卑屈極まれる。 志のあるものが奮って尽力せねばならぬ時は迫れり。
大いに屈する人を恐れよ、いかに剛にみゆるとも、言動に余裕と味のない人は大事をなすにたらぬ。
本当の愛国心とか勇気とかいうものは、肩をそびやかしたり、目を怒らしたりするようなものではない。
小事に齷齪(あくせく)するものは大事ならず。 よろしく大事業経営の方針をとるべし。
よく人材技能を鑑別し、すべからく適材を適所に配すべし。
国家的観念をもってすべての経営事業にあたるべし。