フランスのモラリスト、ラ・ブリュイエール。随筆家、格言家、翻訳家、そして弁護士として、人間社会の深淵を鋭い観察眼で捉えました。彼の著作は、当時のフランス社会の風俗や人間心理の機微を鮮やかに描き出し、その本質を抉り出します。時に痛烈に、時にユーモラスに綴られた彼の言葉は、時代を超えて普遍的な真実を私たちに問いかけます。現代にも通じるその珠玉の格言の数々は、きっとあなたの心にも深く響き、新たな視点をもたらすことでしょう。
我々は、我々の幸福を我々の外部、他人の評判のうちに求める。 他人はみな軽薄かつ不公平で、嫉妬、気まぐれ、 偏見に満ちていることを百も承知なのに、だ。
人生はそれを感ずる人間にとっては悲劇であり、考える人間にとっては喜劇である。
時は友情を強めるが、恋愛を弱める。
醜い女はいない。 ただ、どうすればかわいく見えるかを知らない女はいる。
人間的に言えば死にもよいところがある。 老いに決着をつけねばならないからだ。
私達の一切の悩みは、 私達が孤独で存在し得ないということから生まれてくる。
恋愛は恋愛によって始まる。 従っていかに強い友情からも弱い恋にしか移行できない。
ゆうゆうと焦らずに歩むものにとって長すぎる道はない。 辛抱強く準備するものにとって遠すぎる利益はない。
時間は友情を強めるが、恋愛を弱める。
人生にはただ三つの事件しかない。 生まれること、生きること、死ぬことである。 生まれるときは気がつかない。 死ぬときは苦しむ。 そして生きているときは忘れている。
一人の男だけ見つめている女と 一人の男からいつも目をそらす女は、 結局似たようなものである。
大恋愛の経験のある者は友情を重んじない。