真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。
あせってはいけません。 ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です。
君、弱い事を言ってはいけない。 僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである。
のどかな春の日を鳴き尽くし、鳴きあかし、また鳴き暮らさなければ気が済まんと見える。 その上どこまでも登って行く、いつまでも登って行く。 雲雀はきっと雲の中で死ぬに相違ない。 登り詰めた揚句は、流れて雲に入って、漂うているうちに形は消えてなくなって、ただ声だけが空の裡に残るのかもしれない。
私は冷かな頭で新らしい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています。
人間の目的は生まれた本人が、本人自身のためにつくったものでなければならない。
女には大きな人道の立場から来る愛情よりも、多少義理をはずれても自分だけに集注される親切を嬉しがる性質が、男よりも強いように思われます。
馬は走る。 花は咲く。 人は書く。 自分自身になりたいが為に。
考えてみると世間の大部分の人は悪くなることを奨励しているように思う。 悪くならなければ社会に成功はしないものと信じているらしい。 たまに正直な純粋な人を見ると、坊ちゃんだの小僧だのと難癖をつけて軽蔑する。
君は山を呼び寄せる男だ。 呼び寄せて来ないと怒る男だ。 地団駄を踏んでくやしがる男だ。 そうして山を悪く批判する事だけを考える男だ。 なぜ山の方へ歩いて行かない。
自分の弱点をさらけ出さずに人から利益を受けられない。 自分の弱点をさらけ出さずに人に利益を与えられない。
わざわざ人の嫌がるようなことを云ったり、したりするんです。 そうでもしなければ僕の存在を人に認めさせる事が出来ないんです。 僕は無能です。 仕方がないからせめて人に嫌われてでもみようと思うのです。
たいていの男は意気地なしね、いざとなると。
恋は罪悪ですよ。
智に働けば角が立つ。情に棹せば流される。 意地を通せば窮屈だ。兎角にこの世は住みにくい。
彼らにとって絶対に必要なものはお互いだけで、 お互いだけが、彼らにはまた充分であった。 彼らは山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた。
結婚は顔を赤くするほど嬉しいものでもなければ、恥ずかしいものでもないよ。
吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果、不自由を感じて困っている。
如何に至徳の人でもどこかしらに悪いところがあるように、 人も解釈し自分でも認めつつあるのは疑いもない真実だろうと思う。
日本の近代文学に燦然と輝く巨星、夏目漱石。1867年から1916年まで生きた彼は、小説家としてだけでなく、大学教員、詩人、著作家としても多大な足跡を残しました。激動の時代の中で、人間の本質を鋭く見つめ、数々の名作を生み出したその言葉は、今なお私たちの心に深く響きます。彼の紡ぎ出す普遍的なテーマや繊細な心理描写は、時代を超えて多くの読者を魅了し続けています。彼の作品に宿る深遠な思想と、人生の機微を捉えた心に刻まれる名言の数々に、あなたも触れてみませんか。