我々は翼が欲しいという欲望を持っている。 にもかかわらず結局は空を飛ぶことはできない。 要するに、我々は幸せなのだ。 さもなければ、空気はやがて吸うに堪えなくなるに違いない。
愛する者と一緒に暮らすには一つの秘訣がいる。すなわち、相手を変えようとしないことだ。
私が死んだとき、一匹の蝿がうなるのを聞いた。 部屋の中の静寂は、嵐の高まりの間の大気の静寂のようだった。
結婚は鳥カゴのようなものだ。 カゴの外の鳥は餌箱をついばみたくて中へ入りたがり、 カゴの中の鳥は空を飛びたくて外へ出たがる。
人生における無上の幸福は、自分が愛されているという確信である。
友情が恋愛になるときには、二つの川のように混ざりあり、 有名なほうが他方の名を吸収する。
人が虎を殺そうとする場合には、人はそれをスポーツだといい、 虎が人を殺そうとする場合には、人はそれを獰猛だという。 罪悪と正義の区別も、まあそんなものだ。
人間として最大の美徳は、上手に金をかき集めることである。 つまり、どんなことがあっても他人の厄介になるなということだ。
生は全ての人間を水平化するが、 死は傑出した人をあらわにする。
私達の一切の悩みは、 私達が孤独で存在し得ないということから生まれてくる。
できるだけ早く結婚することは女のビジネスであり、 できるだけ結婚しないでいることは男のビジネスである。
二十代の恋は幻想である。 三十代の恋は浮気である。 人は四十代に達して、 初めて真のプラトニックな恋愛を知る。
女が君を愛すると誓っても、必ずしも信じるわけにはいかない。 しかし君を愛さないと誓った時にも、やはり信じすぎないほうがよい。
愛されているという驚きほど、神秘的な驚きはない。 それは人間の肩に置かれた神の指だ。
墓の下に眠っている人々を羨まなければならないとは、何という情けない時代だろう。